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NEW!!!社員の意識改革と業務改善に貢献!セルフ・キャリアドックの魅力とは

時代の変化や環境の変化に対応していくためには、従業員一人ひとりの意識改革が欠かせません。しかし、漠然と「意識改革」「キャリア形成」等と言われても、どうすれば良いのかわからないこともあるでしょう。そこで今回は、従業員のモチベーションアップと意識改革を目的に、「セルフ・キャリアドック」を導入された石川県の総合建設業である「株式会社 吉光組」の代表取締役副社長 吉光成寛さんと、執行役員管理部長の盛田陵司さんに、セルフ・キャリアドック導入のメリットや、導入後に生まれた社内の変化について伺いました。

投稿日:2024年3月13日

目次

従業員増加による若手従業員とのコミュニケーション課題をきっかけにセルフ・キャリアドックの導入を決意

「株式会社 吉光組」は、現場で働く土木や建築の職人、営業やバックオフィスのスタッフを加えた約60名の従業員(令和6年2月時点)と、経営陣を加えた組織で構成された会社です。

勤務年数の長い従業員が多く、経営陣とも家族のように密にコミュニケーションが図れていると感じていました。しかし近年、事業拡大に伴い、幅広い年代や多彩な経歴の人材を採用するダイバーシティが広がったことをきっかけに、コミュニケーションに課題が生じてきたと、吉光さんは話します。

吉光さん「以前は、従業員が仕事で悩みを抱えていれば、日常会話の延長のような形で経営陣が個別に話を聞き、解決できていました。ですが、従業員数が40名を超えたあたりから、従来のコミュニケーション方法では対応が難しいと実感するようになりました。加えて、経験豊富な中途社員から業務改善の提案があったり、Z世代の新入社員から入社後にギャップを感じたといった声も聞かれたりしたこともあり、そうした状況を経営陣としてどうにかしなければと考えていました」

セルフ・キャリアドックの導入を決めた理由

そんなとき、知人のキャリアコンサルタントから石川キャリア形成・学び直し支援センター(当時:石川キャリア形成サポートセンター)の紹介を受け、担当者からセルフ・キャリアドックの説明を受ける機会がありました。熱心に説明して頂いた結果、そこで聞いた内容に魅力を感じたことと、事業拡大や新型コロナウイルス感染症の流行により停滞していた社内のコミュニケーションを再び活性化したいと思ったことから、導入を決めたそうです。

吉光さん「セルフ・キャリアドックでは、守秘義務のある社外の専門家が当社従業員の話を聞いてくれる点に、最も魅力を感じました。社内の人間が話を聞くよりも、第三者の方が従業員の本音を引き出しやすいと思ったからです。例えば、新入社員と経営層では世代の開きもありますから、感じている悩みも異なれば、悩みを打ち明けるのにためらいを感じることもあるかもしれません。その点をセルフ・キャリアドックでケアできたこともありがたかったです」

セルフ・キャリアドックとは

セルフ・キャリアドックとは、キャリアコンサルティング面談と多様なキャリア研修などを組み合わせて、企業の人材育成ビジョンや方針に基づき、従業員の主体的なキャリア形成を促進・支援する取組のことです。

従業員にとってはキャリア形成支援で働きがいを見いだし、モチベーションを高められるというメリットがあり、企業にとっては従業員一人ひとりのパフォーマンス向上によって組織が活性化し、生産性が高まるというメリットがあるというように従業員と企業、双方の課題解決が期待できるのが特徴です。

▼セルフ・キャリアドックの一環として「ジョブ・カード」を作成

セルフ・キャリアドッグに「ジョブ・カード」を活用することで、さらに充実したキャリア形成が可能になります。
ジョブ・カードの作成を通して、従業員は自分の強み・弱みを明確にしたり、実務上で得た職業能力を「見える化」できたりするようになり、これまでの経験を踏まえた今後のキャリアプランを描けるようになります。また、企業はジョブ・カードによって従業員一人ひとりの職業能力や強み等が確認できるため、適材適所の配置がしやすくなるほか、学び直しの支援を含めた計画的な人材育成と能力評価が可能になります。

セルフ・キャリアドックの活用で生まれた従業員の変化

吉光組ではセルフ・キャリアドックを導入・活用したことにより、従業員のモチベーションに大きな変化が見られたそうです。また、業務改善や効率化にも取り組めたと言います。

モチベーションが向上し、資格取得に動く従業員が増加

盛田さん「これまで会社で認めた能力に基づき、役職を付けていましたが、それに対応する役職手当は付けていませんでした。自分の技術を磨いて給与が上がっていくというのがないため、自分のキャリアが描きにくかったと思います。セルフ・キャリアドックを導入した結果、会社として人事評価基準を見直す必要があると感じました。そこで役職と手当制度を刷新。国家資格等の資格取得によるキャリアアップと役職昇進をリンクさせた、従業員にもわかりやすい仕組みとなりました。

資格に応じて役職や手当を明確にしたことで、社員のモチベーションにつながり、資格取得に動く従業員が増加しました。結果的に、従業員の成長はもちろんのこと、会社全体の成長にもつながったと感じています。

とはいえ、役職や手当といった明確な上下関係が生じることで、今までのような従業員同士のフラットな連帯が壊れてしまう可能性もあります。今後も、従業員の絆が失われないような仕組みづくりが必要だと感じています」

クラウド導入、設備の充実など、会社の業務環境も改善

盛田さん「これまで弊社では、建設現場で使われる膨大な資料の整理を、クラウドを活用したバックオフィス部署を新設して効率化できないかと考えていましたが、現場経験のない事務系社員だけでは困難なため具体的には進んでいませんでした。そんななか、セルフ・キャリアドックのキャリアコンサルタントとの面談を通し、社内に現在の業務に問題はないものの、自分と会社が望む将来的なキャリアとの不一致に悩む社員がいることがわかりました。

キャリアコンサルタントからのフィードバックと本人面談の結果、バックオフィス部署が本人のキャリアとマッチすることがわかり、また業務効率化にもつながると感じ、新部署発足のきっかけとなりました。現在その社員は新部署で生き生きと輝いています。セルフ・キャリアドックとフィードバックをきっかけに、業務環境の改善につながったと感じています。

また、その他にもセルフ・キャリアドックによるキャリアコンサルタントとの面談の中で上がってきた細かな要望にも応え、社内設備の充実も図りました。その結果、従業員の働きやすさや業務効率の向上にもつながり、経営面でも良い影響がありました。」

「ジョブ・カードの作成でキャリアの振り返りができた」従業員の声

セルフ・キャリアドックでキャリアコンサルティングやジョブ・カードの作成について、吉光組に勤める方の感想をご紹介します。

  •  仕事における目標をどう設定すれば良いのかわからなくなっていたけれど、ジョブ・カードを作成したことによって今後のキャリア形成の道筋が見え、仕事のモチベーションが上がった
  • 今の仕事は「自分には合っていない」と思っていたが、キャリアコンサルティングでヒントをもらったことで考え方が変わり、自分が仕事を続ける意義を見いだせるようになった
  • 入社してまだ数年、仕事を覚えることに精いっぱいで、自分のキャリアを俯瞰してみる機会がなかったため、振り返って整理する機会をもらえたのが良かった
  • ジョブ・カードを作成して自分のキャリアを振り返る体験は、通知簿をもらったみたいで新鮮だった

セルフ・キャリアドックの実施が、従業員の意識や行動の変化にもつながっているようです。

セルフ・キャリアドッグ導入~現在までの取組、今後の展望について

吉光組がセルフ・キャリアドッグを導入した令和2年9月から令和6年1月までに実際に行った取組、そして、今後実施を検討している取組をご紹介します。

セルフ・キャリアドッグ導入~現在までの取組

<令和2年9月>

  • 導入検討にあたり、管理職(管理部長、総務部長)がジョブ・カードの作成と、キャリアコンサルティングを体験
    ○    メリットを実感し、セルフ・キャリアドックの導入を決定
  • 入社5年目までの社員を中心とした対象の従業員に向け、セルフ・キャリアドック導入のガイダンスセミナー及びジョブ・カード作成支援セミナーを実施
    ○    対象の従業員に対し、ジョブ・カードを用いたキャリアコンサルタントとの面談を実施。フィードバックの内容から業務環境の改善に着手

<令和5年2月>

  • 業務過大で残業が多い現場社員や、モチベーションに問題を抱えていると思われる従業員13名を対象に、ジョブ・カードの作成とキャリアコンサルティングを実施
    ○    業務分担の変更などを行い、従業員の負担を軽減

<令和5年11月>

  • 課長職以上の役職者10名、及び役員2名(副社長、専務)にジョブ・カードの作成とキャリアコンサルティングを実施
    ○    役職者へのキャリアコンサルティング及び継続的な実施の必要性を実感

今後の展望

盛田さん「当初は、キャリア形成に悩んでいるであろう入社5年以内の従業員のみを対象に、ジョブ・カードの作成やキャリアコンサルティングを実施していました。しかし、『在籍年数にかかわらずキャリア形成の参考になる』という声があったこと、また、振り返るキャリア年数が長いベテラン社員こそ、ジョブ・カードで自身の価値観や強み等への気づきが生まれると考え、現在では若手の従業員だけでなく、ベテラン層や管理職にも活用しはじめています。今後は職位の高い管理職にも、順にキャリアコンサルティング面談を受けてもらおうと考えています」

継続的なキャリア支援を実施するメリット

吉光組では今後、5年に1サイクル(毎年約10名)を目安に、継続してキャリアコンサルティングを実施することも予定しています。従業員のキャリア支援を継続的に行うことに、会社としてもメリットを感じたのだそうです。

吉光さん「従業員個人の成長や、役職の変更に伴い、キャリアプランは少しずつ変わっていきます。定期的に振り返りの時間を持つことで、従業員がキャリアに悩むことが少なくなり、仕事に集中しやすくなると考えています。

また、キャリアコンサルティングの全体の傾向をフィードバックしてもらうことで、会社としては、資格だけでなく経験や人脈、マネジメントスキルを含めた定量的な人事評価基準をつくるヒントにもなります。継続的なキャリア支援の実施は、従業員と会社、双方にとって大きなメリットになると言えます」

まとめ

今回は、総合建設業を営む「株式会社 吉光組」の代表取締役副社長の吉光成寛さんと執行役員管理部長の盛田陵司さんに、セルフ・キャリアドックの導入と活用についてのお話を伺いました。ジョブ・カードを使ったセルフ・キャリアドックは、個々の従業員の課題解決に役立つだけでなく、組織全体の業務改善にも効果を発揮したことも大きな成果だったようです。

従業員一人ひとりのモチベーションを高めることでパフォーマンスも向上し、組織全体の活性化や生産性の向上にもつながるセルフ・キャリアドック、ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょう。

キャリア形成・学び直し支援センターでは、専門のキャリアコンサルタントが、企業の経営方針や課題を伺い伴走しながら、その会社に合ったセルフ・キャリアドック導入を支援します。お気軽に、全国各地のキャリア形成・学び直し支援センターにお問い合わせください。
※    キャリア形成・学び直し支援センターは、令和6年4月より「キャリア形成・リスキリング支援センター」に拡充します。セルフ・キャリアドックの導入支援も引き続き実施します。

ジョブ・カードを使ったセルフ・キャリアドッグに興味のある方はこちら
その他の活用事例はこちら

【企業情報】

株式会社 吉光組
石川県小松市の総合建設企業。創業は大正2年(1913年)。手取川の砂利採取業からスタートし、その後、道路改良工事など土木事業を開始。土質改良事業、 建築事業、住宅事業へと事業の幅を広げる。創業100年を超える豊富なノウハウを基に、地域に必要とされる総合建設業を目指す。

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