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介護の仕事内容や仕事の種類、必要な資格とは

高齢者人口の増加やライフスタイルの変化などに伴って、重要性が高まっている介護の仕事。経験を積み資格を取得していくことで、キャリアアップも目指せます。将来介護の仕事に就くことを目指す学生の方や、介護職への就職、転職を検討されている方などのために、介護の仕事内容や種類についてご紹介しましょう。

投稿日:2022年12月27日

目次

介護の仕事内容ややりがいについて

高齢者や障害者など、何か手助けを必要としている方々の「困っていること」をサポートするのが介護の仕事です。誰かの役に立つことはやりがいや充実感に繋がりますし、利用者(介護サービスなどを利用する被介護者)本人や家族から感謝される機会も多い仕事です。また、利用者の困りごとをどう解決していくか、アイデアを出し合い、チームで計画を立てて実行していくクリエイティブな仕事でもあります。

利用者との関わりの中でたくさんの学びや感動に出会い、やりがいを感じながら働けるところが介護の仕事の魅力ではないでしょうか。

介護職といえば待遇面での課題もありましたが、近年は、介護職の深刻な人手不足を解消し、優秀な人材を確保するべく、国も介護従事者の待遇改善に動いています。また、ICT化や介護ロボットの活用なども進み、身体的負担の改善も見られます。

介護の仕事の種類はこんなふうに分けられる!

実際に、介護の仕事にはどのような種類があるのか、仕事内容やそれぞれの違いについて説明していきます。

サービス内容(生活援助か身体介護か)による違い

介護サービスは、大きく分けて「生活援助」と「身体介護」の2つがあります。

生活援助は、掃除や洗濯、ベッドメイク、衣類の整理、被服の修理、一般的な料理や配下膳、買い物や薬の受け取りなどが該当します。通院の付き添いも行います。

日常生活のサポート、身の回りの世話が仕事内容になりますが、あくまで「お手伝いさん」ではなく「介護」として行うサービスなので、利用者以外の家族の食事や洗濯、草むしりや庭木の水やり、ペットの世話などは含まれません。

主に訪問介護で働く場合の仕事内容ですが、近年では介護施設でも、掃除やベッドメイクなどの生活援助の業務だけを行う(身体介護は行わない)スタッフを採用しているところも増えています。パートタイムで短時間働くことや、未経験や無資格でも安心して働くことができるよう、分業化によって働き方を柔軟にし、介護人材を確保しようという流れになっています。

身体介護は、起床・就寝の介助、排泄や食事の介助、清拭(身体を拭く)や入浴介助、着替えや整容の介助など、多くの方がイメージする「介護の仕事」です。

利用者の身体を抱え、ベッドから車いすへ移乗する介助など、身体介護は肉体労働のため、以前は腰を痛めて離職する職員も多くいました。そんな職員の身体的負担を軽減し、離職者を減らすため、近年は、介護ロボットやリフト、スライディングシートなど、数多くの福祉器具が積極的に現場に導入されています。また、「ボディメカニクス」など正しい身体介助のメソッドを身につけて腰痛リスクを抑える職場研修も多く行われています。

働く場所(訪問介護か施設介護か)による違い

介護の仕事は、働く場所という観点から「訪問サービス」と「施設サービス」に分けることができます。

訪問サービスは、在宅サービスとも呼ばれ、居宅で暮らす利用者の元へ介護福祉士や訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問して介護します。身体介護や生活援助を行う「訪問介護」のほか、寝たきりで入浴が困難な場合に浴槽を持ち込んで入浴介助を行う「訪問入浴介護」などもあります。

訪問サービスで働くメリットは、短時間勤務もできるため勤務時間の融通がきく、利用者と1対1なので自由度が高く、利用者のペースに合わせた丁寧な対応ができるなどがあります。

施設サービスは、施設に入所された利用者に24時間介護を提供するものです。「特養」と呼ばれる特別養護老人ホームや、「老健」と呼ばれる介護老人保健施設、2018年に新設された「介護医療院」などがあります。このほか、介護職が働く施設としては、要介護度に関係なく入所できる「有料老人ホーム」や「サービス付き高齢者住宅」、認知症の方が共同生活を送る「グループホーム」などもあります。

施設で働くメリットは、相談しながらチームで介護が行える、周囲の同僚からスキルやノウハウが学べる、特定の出勤先(施設)で長く働けるなどがあります。

介護の仕事をするのに必要な資格は?

介護業界で働くメリットとして「未経験から始めることができる」「資格取得でキャリアアップできる」という点があります。

まずはパートやアルバイトで、無資格・未経験で施設で働き始めても、働きながら「介護職員初任者研修」を受け、修了試験に合格すれば入浴や排泄などの身体介護ができるようになります。

さらに3年以上の実務を積み、「実務者研修」を修了することで、「介護福祉士」の試験を受けることができます。介護福祉士は、医師や看護師などと同じ国家資格です。この資格を保有していると資格手当などで給料面でも優遇され、正社員として採用されやすくなり、転職先の選択肢も広がるなど、メリットが大きいため、目指す人も多いです。
ここからさらに、認定介護福祉士養成研修を受け、より質の高い知識や技術を修得した介護福祉士は、「認定介護福祉士」として活躍できるようになります。

介護職員初任者研修から認定介護福祉士に至るステップは、以下のようなピラミッド図でも表されます。
 

介護の資格に関するピラミッド図

また、介護福祉士を取得した後、「介護支援相談員」を取ってケアマネージャーになったり、「社会福祉士」を取って生活相談員やソーシャルワーカーになったりする人も多くいます。このように資格取得でステップアップしやすいのが介護業界のいいところです。

自分の努力次第で、資格を取得し専門職として活躍できる道が開ける介護業界は、将来性にあふれた業界であるといえます。

介護の仕事に向いているか迷ったら?

自分が介護の仕事に向いているのか迷った時には、以下を試してみましょう。

介護の仕事についてもっと調べてみよう

マイジョブ・カードと連携している「job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))」では、職業の内容、就業の仕方、賃金、平均年齢などといった職業情報のほか、求人検索や訓練検索ができるようになっています。「介護で行われる仕事」についての情報も掲載されていますので、ぜひアクセスして調べてみましょう。

マイジョブ・カードを使ってみよう

上記で調べた介護の仕事に自分が向いているか迷っている方は、まずマイジョブ・カードの「自己診断ツール」を活用してみましょう。

自己診断ツールは、自分の興味・関心や特徴について振り返る「興味診断」、自分の得意なことや強みをチェックする「スキルチェック」、働く上で大切にしたい価値観を振り返る「価値観診断」の3つがあります。
例えば「興味診断」では設問に答えていき診断すると、あなたの適職傾向や、そのタイプに合う仕事について知ることができます。

興味診断の診断結果より抜粋した画像

「興味診断」の診断結果より抜粋

介護の仕事内容や自身の適職傾向について把握したあとは、ジョブ・カードを作成して、キャリアプランを描きましょう。
ジョブ・カードにはさまざまな様式があり、様式2「職務経歴シート」で、自分のこれまでのキャリアやスキルなどを書き出すことで、今の自分の経験やスキルを客観的に見つめ直すことができます。その上で、様式1-1「キャリア・プランシート(就業経験がある方用)」を書いてみると、自分の興味・関心や価値観、理想の働き方が整理され、介護の仕事のどの種類が自分に合っているか、そして、それを目指すにはどうすればいいかが自然と描けるようになるでしょう。

様式1-1「キャリア・プランシート(就業経験がある方用)」の記入例より抜粋した画像

様式1-1「キャリア・プランシート(就業経験がある方用)」の記入例より抜粋

これまで取得した資格や訓練歴等は、様式3-1、様式3―2「職業能力証明シート」にまとめましょう。マイジョブ・カードには履歴書や職務経歴書の自動作成機能もあるので、すぐに応募に進めることもできます。

介護の仕事に就職するための支援制度を確認してみよう

介護業界には、より就職しやすくなるようにさまざまな施策・支援制度があります。

厚生労働省による動画「介護の仕事に就職するための支援制度」で取り上げている内容から、いくつか紹介しましょう。

・子どもの送迎や保育園入所待ちの負担軽減になるよう、介護施設など事業所内に保育施設を整備する取り組みがあります。

・介護職員が育児休業や時短勤務を活用しやすいよう、代替職員を派遣するマッチング事業が推進されています。

・一定の要件を満たす場合、未経験者には「就職支援金」、再就職者には「再就職準備金」といった貸付金を受けられる制度があります。介護の仕事に一定期間従事することで貸付金の返済が免除されます。

・ハローワークにおける資格取得・キャリアアップ支援「ハロートレーニング」には、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修など多様な訓練コースがあります。要件を満たす場合、テキスト代のみで受講料無料、生活支援の給付を受けながら訓練を受講することができます。

・全国のハローワークでは、介護の仕事に興味のある求職者のために、求職者の状況に応じた職業相談や職業紹介、各種イベントを実施しています。

介護の仕事は、働いている年齢層も幅広く、異業種からの転職、未経験からのスタートで、現場で経験を積んでキャリアアップを遂げている方々も多い業界です。また、介護を含む「医療、福祉」は正社員への登用実績の割合がもっとも大きい業界でもあります(厚生労働省「労働経済動向調査の概況(令和4年2月)」より)。
もし介護の仕事に興味を持たれた場合には、ぜひ参考にしてみてください。

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ジョブ・カードを作成しよう!

ジョブ・カードを作成することで、自分の強み・弱みや能力に気付くことができ、これまでの経験を踏まえた将来のキャリア・プランとそれに向かってやるべきことが描けるようになります。また、作成したジョブ・カードは就職活動や転職活動でも活用することができるようになります。
マイジョブ・カードのアカウント登録をすると、作成したジョブ・カードを保存し、いつでも修正することができます。
アカウント登録をして定期的にジョブ・カードの見直しや確認を行いましょう。

※アカウント登録後・ログインせずにジョブ・カードを作成した場合、保存するにはダウンロードしたうえ、アカウント登録・ログインしてアップロードする必要があります。

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