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キャリアプランの立て方が分からない。キャリアコンサルタントが教えるヒント

ただ漠然と仕事をするのではなく、自分自身が成長し、実現したい未来へ近づいていくためには、キャリアプランを立てることが重要です。キャリアプランは、現在の仕事のモチベーションアップだけでなく、就職・転職活動にも役立てられます。しかし、キャリアプランをいざ立てようと思っても、「キャリアプランの考え方が分からない」「自分で何をしたいかが分からない」と悩まれている方も多いかもしれません。そこで今回は、キャリアプランの立て方についてキャリアコンサルタントの岩橋ひかりさんに解説していただきました。

投稿日:2023年11月28日

目次

そもそもキャリアプランとは

キャリアプランというと、「仕事や働き方のプラン」と考える方が多いのではないでしょうか。しかし、仕事はあくまでも私たちの人生の一部ということを踏まえると、仕事を含めたすべての活動を自分のキャリアとしてとらえることができます。

岩橋さん
「キャリアとは仕事だけではなく人生そのもの、仕事以外のことも含めてキャリアというように私は考えています。つまり、キャリアプランを立てることは、自分がどう生きていきたいのかを明確にする一つのきっかけになるのです。

自分のなりたい姿を具体的に描くことができないと、理想とする自分に近づくことはなかなか難しいかもしれません。私がキャリア支援をする中でいつもお伝えしていることですが、『なりたい姿を描けない限り、なりたい自分にはなり得ない』と思います。自分のなりたい姿、自分がどういうふうになっていきたいのかという理想像を、いかに解像度を高く持てるかが重要です。最初は解像度が高くなくても、イメージを持つことで初めて自分のキャリアを切り開けると思います」

キャリアプランについて考えたことがないと答えた人は、2人に1人!

 以前、マイジョブ・カードのコラム記事で在職者約500名にアンケート調査を実施し、「キャリアプランについて考えたことがあるか」と質問したところ、キャリアプランを考えたことが「ない」と答えた方が2人に1人という結果になりました。

キャリアプランについて考えたことがあるか

岩橋さん
「キャリア支援を通してさまざまな方にお会いしてきましたが、自分がどうなりたいのか分からないという方や、何を目指したいのか分からないという方は、比較的多いなという印象です。キャリアプランを考えたことがない理由としては、そもそも考えるきっかけ自体がなかったからではないかと思いました。

自分の身を置いてきた環境…例えば受けてきた教育だったり、誰かの価値観だったり、自分ではコントロールできない流れの中で生きていると、世間が理想とするキャリアプランを無意識のうちに描くようになるのかもしれません。そのような状態でいきなりキャリアプランを立てようとしてもなかなか難しいので、まずは自分がどうしたいのか、自分がどうなりたいかという視点を持つ訓練が必要だと思います」 

自分のなりたい姿のビジョンを明確にすると、自分に合ったキャリアプランが見えてくる

岩橋さんに、自分がどうなりたいかという視点を持ったことでキャリアチェンジに成功した方の具体例を教えていただきました。

岩橋さん
「以前キャリア支援をした方で、金融機関から未経験でWebデザイナーへキャリアチェンジした方がいらっしゃいました。大手の会社で働いていて、拘束感や息苦しさのようなものを感じることが増え、『子どもに時間を合わせながら、自由な働き方をしたい』と自覚するようになったそうです。そんな中、Webデザイナーという仕事が自然と目に留まり、在職期間中から勉強を始めて自分に合っている仕事だと感じ、Webデザイナーになることを決意されました。やはり、誰かが望むことではなく、自分が望むことを叶えたいと思う方が、キャリアチェンジにつながりやすいですね」

▼キャリアプランを考えるヒントに!

ジョブ・カードの興味診断
自分のなりたい姿を知る方法として、ジョブ・カードの「興味診断」を活用するのもおすすめです。質問に答えていくだけで、自分が何に興味を持っているかを知ることができます。ジョブ・カードのサイトで利用できる自己診断としては他にも「スキルチェック」「価値観診断」があります。ぜひ活用してみてください。

《詳しくはこちら》
自己診断一覧

キャリアコンサルタントに聞く!キャリアプランってどう考えたら良いの?

これまで紹介してきた通り、キャリアプランを描くためには、まずは自分のなりたい姿を具体的にイメージすることが大切です。ここでは、具体的なキャリアプランの立て方について紹介していきます。

方法①嫌いなことを書き出してみる

世間が理想とするキャリアプランを無意識のうちに描いてしまい、自分の本当になりたい姿を具体的にイメージするのが難しいという方は、自分がどんなことをするのが嫌なのかを書き出してみると良いそうです。

岩橋さん
「自分の感情に気付くためにも、これは非常に重要なステップです。どんなことを嫌だと感じるのか、苦手なことなどを書き出してみましょう。長い間ずっと他人の目線を意識した選択をしていると、自分の感情を抑えてしまう癖がついている方も少なくありません。しかし、嫌なことは感情を押し込めている人でも気付きやすいので、自分の感情を素直に出すきっかけになると思います」

方法②信頼できる人に強みや弱みを相談してみる

嫌なことを書き出すことは一人でもできますが、自分の強みや弱みについては、普段からよく一緒にいる人に相談すると気付きやすくなります。

岩橋さん
「自分の強みや弱みについて、仲の良い友人に相談しながら書き出してみましょう。このステップの目的は、あくまでも自分自身を知ることなので、弱みをどうしたら克服できるのかまで考える必要はありません。弱みは克服しなければならないのではなく、弱みとして一旦さらけ出してみることが大切です。他者を通して自分自身の強みや弱み、感情に気付いていきましょう」

▼キャリアプランを考えるヒントに!

キャリア形成・学び直し支援センターで専門家に相談も 
一人で悩むのではなく、まずは第三者に相談してみることも大切です。

キャリア形成・学び直し支援センターでは、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルティングを無料で受けることができます。キャリアの悩みや不安、今までのキャリアの振り返りなど幅広い相談が可能です。
その他、オンラインで参加できるセミナーやシンポジウムも開催しています。
自分のキャリアについて考えたいという方は、ぜひ利用してみてください。

《詳しくはこちら》
キャリア形成・学び直し支援センター(キャリガク) 【厚生労働省委託事業】

 

方法③キャリアについて考えている人の輪に飛び込んでみる

キャリアについて漠然とした不安を抱えている人は、現状を打破するためにも外に目を向けてみることが大切です。

岩橋さん
「一人で何かをしようとするのではなく、普段会わない人の集まりに参加してみるのもおすすめです。無料でキャリア相談ができる場もありますし、オープンセミナーなどに参加して同じようにキャリアについて悩んでいる人の輪に入ってみるのも良いかもしれません。すでにキャリアプランを立てたり、キャリアチェンジを実践したりしている方の具体的な事例について知ることができるので、外に目を向けながら身を置く環境を少しずつ変えてみてはいかがでしょうか」

方法④毎日の選択からスモールアクションを取ってみる

キャリアへの不安は、自分がどうなりたいかという感情を封じている状態ともいえます。そこで、まずは毎日の小さな選択を通して、自分の感情を開いていきましょう。

岩橋さん
「キャリアに対する漠然とした不安を抱える方の多くは、世間から見た評価や、損得といった思考で考えているため、自分の感情を封じており、自分が本当は何をしたいのかが分からなくなっているのかもしれません。

就職やキャリアチェンジなどの大きな節目になったときに、自分はどういう選択をして生きていきたいのかをいきなり考えるのは難しいですよね。外から見た評価にとらわれずに自分の感情を優位で物事を考えるためには、「今日は何を食べるか」など、些細な選択を積み重ねていくと良いでしょう。

流されずに自分がどうしたいかを選択するトレーニングを積めば、今まで封じてきた感情が思い出されるようになり、次第になりたい姿を描きやすくなります。毎日のアクションの積み重ねを意識してみましょう」

ジョブ・カードを活用してキャリアプランのヒントに!

ジョブ・カードは、「生涯を通じたキャリア・プランニング」や「職業能力証明」ができるツールで、厚生労働省が広く普及を進めています。「キャリア・プランシート」「職務経歴シート」「職業能力証明シート」の3つのシートがある他、キャリア・プランシート作成前の準備段階に役立てられる「キャリア・プラン作成補助シート」があります。

キャリアプランを考えるために今までの経歴を整理したいという方や、自分の強みや弱み・大切にしてきた価値観を明確にしたい方、就職・転職活動中の方などにおすすめです。

キャリア・プランシート

キャリア・プランシートは、大事にしたい価値観や、強み、今後やってみたいことなどを自由に記載できるシートです。キャリア・プランシートを記入することで、今後自分がどのような仕事や働き方がしたいかを言語化でき、将来に向けた道筋を立てることができるでしょう。企業の面接時に活用できるだけでなく、今後必要なスキルが知りたいときや、どんな働き方をしたいか整理したいときにも役立ちます。

マイジョブ・カードでは、キャリア・プランシートの記入例も公開していますので、自分の年齢や業種に近い記入例を参考にしてみましょう。

岩橋さん
「このシートが作成できれば、自分のなりたい姿も明確になると思います。一旦自分だけが見るものとして、まずは自分の直感や感情を第一に、ありのままを記入してみましょう」

《キャリア・プランシートの作成はこちら》
▶在職者・求職者の方:キャリア・プランシート 様式1-1
▶学生の方:キャリア・プランシート 様式1-2

《記入例はこちら》
記入例をみる

キャリア・プラン作成補助シート

いきなりキャリア・プランシートの記入が難しいという方は、キャリア・プラン作成補助シートを活用してみるのもおすすめです。キャリア・プラン作成補助シートでは、大事にしたい価値観や自分の強みなどをチェックしていきます。選択式の回答なので、価値観や強み・弱みが思いつかないという方も直感的に判断できるでしょう。

文章を書くのが苦手・具体的にどう書いたら良いのか分からないという方にも取り組みやすいはずです。キャリア・プラン作成補助シートの作成後は、そのままキャリア・プランシートに転記できるので、キャリア・プランシートの記入がしやすくなります。

《キャリア・プラン作成補助シートの作成はこちら》
▶在職者の方:キャリア・プラン作成補助シート (在職者用)
▶求職者の方:キャリア・プラン作成補助シート (求職者用)
▶学生の方:キャリア・プラン作成補助シート (学生用)

まとめ

就職活動や転職について考えたくても、キャリアプランの立て方が分からない方も多いかと思います。これまで紹介してきた通り、まずは自分自身の感情に気付き、選択していくことがより良い人生を歩んでいくための重要なポイントになります。

岩橋さん
「仕事のときだけでなく、普段の生活の中でも主体的に選択していくことをぜひ実践してほしいです。就職や転職などの大きな決断を迫られたとき、自分で選択することに慣れていない方は戸惑いが大きいかもしれません。まずは、日常生活においての小さな選択を自分の意思や感情で決めていくスモールアクションを意識し、なりたい自分を見つけることが自分のキャリアを切り開くことにつながるはずです。

キャリアプランを立てる方法は、苦手なことを書き出す、キャリアコンサルタントに相談する、ジョブ・カードを使ってこれまでの経験を整理するなどたくさんあります。その中で『やってみたい』と自分の感情が動かされたものを選択し取り組んでみると良いかもしれません。

『なりたい自分を描けない限り、なりたい自分にはなり得ない』ので、自分の感情に目を向け、なりたい姿を明確にしていきましょう。そうすることで、幸せなキャリア(人生)に近づいていくはずです」

【出演いただいたキャリアコンサルタントのプロフィール】

株式会社MYコンパス 代表取締役 岩橋ひかり様
キャリアコンサルタント。お茶の水女子大学卒業、セブン銀行に入社。第2子の育休中に立ち上げたブログが共感を呼び、女性向けライフキャリア支援を開始。「嫌なことを書き出して欲を取り戻す」独自のライフキャリア支援手法で、国内外1万人以上の女性を支援。ライフキャリア支援や、支援者育成の他、女性を応援する各種プロジェクトのプロデュースを行っている。講演、メディア掲載多数。著書「最強のライフキャリア論」(時事通信社)

※アンケート概要
・実施機関:マイナビニュース
・調査対象:22〜49歳の在職者
・調査期間:2023年8月17日〜22日
・調査方法:インターネット調査
・有効回答数:505名 

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